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ポプリ闘病日記-終章 [ヴォイ・サザファミリー噺]

なぜか 遠い過去のように7日間の記憶が薄れています

どう一日一日を過ごしてきたのか
どう苦しくて切なかったのか
不思議なくらい思い出せません

6年前、父が癌に冒され3年間の闘病生活を送ったとき、
母の代わりに私が看病を続けたけれど、自分の仕事がとても忙しく、睡眠時間を削っての苦しい時間だった。初めての経験だったこともあって、一生懸命ではあったけれど結局は何もしてあげられなかった。それをとても後悔した。

2年前、母が4ヶ月ほど入院したときには、
父に果たせなかった思いを母の看病に注ぎ込んだ。ひたすら病院に通い、細やかに世話をし、理解ができなければ担当医にくらいつき、病状を心配する兄弟・親戚に逐次報告を行い。でも挙げ句の果てに本当に疲れ果てて・・・・・母のためにもこれで良かったのだろうか、と思ってしまった。

だから、ポプリのときには絶対に後悔したくなかった。
検査の結果を受けて自分なりに病状についていろいろと調べ、あまり長くはないと予感したとき。父や母と違い言葉も喋れず、子供のような存在であるポプリのことを一番理解してあげられるのは自分でしかない。だったら最善は自分の手元に置くこと、それが最優先だった。

でも、治療を諦めてしまう勇気は持てなかった。そんな私を救ってくれたのが AQさんのアドバイス だった。
自宅での点滴を提案してくれて、その後はセカンドオピニオンのような存在としてアドバイスをもらった。病気の知識に初めは獣医師かと思っていたけれど、プロフィールにペット美容室を経営しているとあって驚いた。でも統計的に病気を語る獣医師よりも、メンタルな部分を理解したうえでアドバイスをもらえたので本当によかったと思っている。

ポプリの死をAQさんに報告したときのレスに
「・・・ そうですか。苦しまずに眠ったのでしょうか?ポプリは家族との最後の数日間を楽しく過ごそうと、頑張って食事を食べたり水を飲んだりしていたんですね。こんなに元気だから心配しないで ・・・と。ポプリと sazae さん。ともに良い関係の、良い家族でした。」の言葉に胸が熱くなり号泣した。
結局私がポプリに慰められ、励まされ、守られていたんだって・・・・・・

だからこの1週間で気付かされたことがたくさんあった

♡ポプリが私に教えてくれたこと♡
★ただただ生きたいという本能がなにものにも代えがたく尊いこと
なんの疑いもなく、当たり前のように生きたいと思う気持ちを身をもって教えてくれたポプリ。知識や経験に振り回され、勝手に寿命を想像することがいかに無意味なことか・・・・・。3回目の発作の時、こんなに苦しむのならもういいよ。。。と心臓マッサージの手を止めた私達。でもポプリは自力で復活した。人間が忘れてしまった強さがそこにあった。

★死ぬよりも生きる方がどれほど大変か
壮絶な闘病生活を送った父や知り合いの死を見てきて、どうして死ぬことがこれほどに大変な事なのだろうと思っていた。私には死ぬことへの恐怖よりも死を迎えるまでの恐怖の方が勝っていた。でも、生きたいという証がそこにあるから大変なのだと思う。瞬間、瞬間を闘った結果なのだと思う。だから、これからも私は喜んで生きたいと思う。たとえどんなに辛いことがあっても生きていることを誇りに思いたい。

★失うことにものすごい恐怖を感じる自分の存在があること
最後の二日間はポプリを失う恐怖で気が狂いそうだった。そしてその命が途切れたとき、その身が私の手から離れていくとき、胸が潰れる思いだった。父の死よりも遙かに悲しかった。でも、それは私の習慣なのだと気付かされた。失うことは決して怖くない。だって、何かを失うことは生きている限り必然であるし、失うことで得られたことがたくさんあるし、まだまだたくさんの幸せも持っているから・・・・

★明日があるということ
今はビンゴのために何をしてあげられるか考えている。残された者達が、朝を迎え夜を迎え淡々と生きてゆくことがどれだけ大切なことか。しかも悲しむ姿をポプリが望んでいないとうことを。
偶然なのか理由は分からないけれど、ポプリが死んだ夜、撮りだめしていたビデオのなかに 「千の風になって」があった。たぶんNHKの番組かと思う。自分で録画した覚えは全く無いけれどポプリからのメッセージだと思ってむさぼるように見た。

ポプリが天に召される10時間前の夕暮れ
ひこうき雲が夕日に照らされ神々しく光っていた

これで良かったのだと思う。。。。

♡12月24日追記♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡
ポプリがビンゴを残してくれたので、こんなに早く立ち直れたのだと思います。私のせいでビンゴまで失うわけにはいきません。今はみなさんの心の温かさに感激し、声援のコメントを読むたびに涙しています。それは悲しみの涙ではないけれど、ビンゴには内緒で泣いてます。みなさん、本当に本当にありがとうございます。
私の人生のなかで、これほど人の温かさに感謝したことはありません。それも立ち直れた大きな理由なのだと思います。ブログを始めて良かった。みなさんと出会えてよかった。うまく言葉には出来ないけれど、心から感謝しています。うれしい涙ならポプリも許してくれるでしょう。


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コメント 11

たいへー

きっと幸せだったでしょうね。 お疲れ様でした。
by たいへー (2006-12-24 08:06) 

従者

初めて自分の子を失う、というその辛さに、
きっと自分を責めて、壊れそうになっているんだろうと思っていたけれど
さすがsazaeさん、きっちり分析して、前向きだ。
そう、残された者達は、ポプリちゃんの為にも懸命に生きることが大切。
辛い時に、有難いアドバイスをくれる素敵な方がいて良かったですね。
まだまだ、これからも大変でしょうけれど、頑張ってくださいね♡
by 従者 (2006-12-24 09:03) 

kaoru

おはようございます。残された者は、しっかりと足を地に着けて
歩いて行かないといけないのですよね。
大変でしょうが無理をなさらずゆっくりと進んで行って下さいね。
体調を崩されてしまったらポプリちゃんが誰よりも悲しむから
お辛いでしょうがお身体ご自愛なさって下さいね。
by kaoru (2006-12-24 09:45) 

マコちん

この記事ね、昨日読んでたんだけど、言葉に詰まってコメント書けなかったの・・・。
うちもね、年寄りネコかかえてるでしょ!今は元気だけどね、もしもの事を考えると、怖くて堪らんのよ。
サザエさんみたいに立ち向かって、ちゃんと正面から向き合えるのか・・・。思いっきり自信がないのよね。
サザエさん、今は身体が疲れてるでしょ!
いっぱい寝ていっぱい食べて体力回復してね!
by マコちん (2006-12-24 09:58) 

ビンゴ

しっかりと 読ませていただきましたよ
今日からは 明日に目を向け
雄々しく立ち上がった サザエさんがそこにいるはず
迷ったり 時には自信もなくすけど
お互い 頑張りましょう
by ビンゴ (2006-12-24 10:17) 

モモパパ

うれし涙は天国のポプちゃんも喜んでくれていると思います^^
それに、夕焼けの飛行機雲を撮ることが出来た事や、こうして未来に向かってゆく事を望んでくれていると思います!
たまになら、思い出して悲しくて泣いても喜んでくれるとも思います。
by モモパパ (2006-12-24 12:50) 

Takabee

ポプリちゃんがサザエさんを一回りも二回りも
大きな人に変えてくれたんですね。
いつか自分にもサザエさんと同じ試練が訪れるんだと思いながら、
読ませていただいてました。
サザエさんのように毅然と難局に立ち向かえる自信はありませんが、
自分にウソをつかないように、前進していければと思いました。

ポプリちゃん、そしてサザエさん、ありがとうございました。
by Takabee (2006-12-24 20:48) 

猫ふみふみ

ポプリちゃんに「いっぱいいっぱいありがとう」の意味を込めて
niceを贈ります。
サザエさんもヴォイスくんも、本当にお疲れ様でした。
by 猫ふみふみ (2006-12-25 17:15) 

いろんなサイトやblogがあるんだね。
サザエどんは悔いのない看護ができたとみんな思っていますよ。
動物愛護協会代表(←いつから?)として、表彰します。

会社の人のにゃんもクリスマスをはさんで、急におかしくなって・・・調べたら血栓症とか・・・。さっきまで普通だったのに・・・苦しんで、暴れて。
手術をしようかどうしようかの選択で・・・先生が「今まで8件の手術をしたけれど、みんな手術中に亡くなってしまった」と、成功率は10%。
選んだのは安楽死だったそうです。
悲しいけれど、そういう選択も迫られる時が来るかもしれないのだと、ウチのにゃんを見ながら・・・心境は複雑。
動物の看護には時間、経済、忍耐、愛情、いろんなものがないとできない現実っていうのもあるな~~と思ったの。
by (2006-12-26 07:55) 

りちこ

動物もヒトも介護って大変なんだと教わりました。
いっぱいいっぱい愛されたポプリちゃんは幸せだったね~。
今はゆっくり休んで下さいね。
by りちこ (2006-12-28 01:24) 

nonkumi

年が明けてからの訪問でごめんなさい。
新年のご挨拶をしようと訪れて、過去記事を拝見していたら・・・涙が止まらなくなってしまって・・・。
家族の闘病の辛さは想像を絶するものがありますね。
私は去年、長女の大手術と3ヶ月半の入院で精神的に参ってしまい、安定剤を飲んだりしてました。次女は13年前に大病をしています。このときは4ヶ月半入院しました。3歳でしたからずっとつきそっていました。
どちらも、看病している私の方が娘たちから励まされていた気がしています。今元気に過ごしてくれていることに感謝しながら、命の重みとはかなさを痛感しています。
ポプリちゃんのご冥福を心からお祈りいたします。
by nonkumi (2007-01-09 08:43) 

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